Doodara

ボリーノのうみ

Guest

このお話について

ボリーノのうみ

Guest 作 · 水彩 · 6〜9歳 · 10 ページ

海のじかは、たこつぼとみどりのアネモネでかがやいている。あかるいすなかのまに、くろいすきまがまっている。うおがそこを通ったのは、まだいちどもない。

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海のじかは、たこつぼとみどりのアネモネでかがやいている。あかるいすなかのまに、くろいすきまがまっている。うおがそこを通ったのは、まだいちどもない。

ボリーノは、ふくれる、ふくれて、ボールみたいにまるくなった。「さあ、ゆこう」と、つぶやいて、アネモネのあいだのやみへ、体をずり出した。

みどりのつかさが、てっぺんをなでる。すべって、なかへはいっていく。しおと、ふるいすのにおいが、すきみをたしなんでいる。やみが、をのみこんだ。

スキューっ。スキューっ。あらいかべが、まるいからだをしめてくる。またふくれて、おすのに、やみはずっとちぢこまらせてしまう。「ちっとも見えない」

かすかなほたけが、かげのなかでしんでいく。ボリーノは、はさまったまま、ひとりぼっち。どこからも、ひかりはもう届かない。

すこしだけ、しぼむ。しっぽのてっぺんが、じかをふれた。カチッ。ひとつの貝が、深いあおいで光った。

それから、となりの貝が、こはるいろにまたたいた。つぎに、もうじゅうこつの貝が、かべじょうに光りだした。まるごときずなが、いろのなみであふれた。

ボリーノが、べつの貝をすなおなでた。ちいさな鈴みたいにおとがなった。ほたけが、すきいろにかわった。

もっとつかまえようと、またふくれた。でも、道はせまい。たすけて!はさんだ貝が、おすたびに、はらをすりむく。

フッ。ひとつのふしが、しめったくちでをなでた。ボリーノはしぼみながら、みつう貝をつれて、ごろごろと外へはいきだした。アネモネが、ゆらゆら揺れている。「もうひとつ」と、ふしが言った。よひきが、いっしょにふりむいた。