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川の上のかご

Guest

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川の上のかご

Guest 作 · 水彩 · 3〜5歳 · 10 ページ

葦のかごが、泥の岸からすべり落ち、水の中に入る。トクッ!

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葦のかごが、泥の岸からすべり落ち、水の中に入る。トクッ!

水がかごを遠くへ押し流していく。夜が降りてくる。ドス… ドス… ドス。

ムーサは、小さな指で葦の縄をくるりと巻く。頭の上には、大きな月。

朝。かごが石の城の階段にぶつかって、ゴン!

ムーサは笑って、足をバタバタさせる。ふいに、男の人が足でかごをそっとたたく。「おや… 葦のかごが、城の門の前に?!」

大きな手が、ムーサをそっと抱き上げる。長い、長い静けさ。そして…「わあ…」

手が、ムーサの髪をそっとさする。ムーサは目を閉じて、にっこり笑う。

ムーサはもう大きくなっていた。ナイル川の岸に立ち、指の間に古い葦の縄を引きしめる。「カサカサ… カリ… カリ。」

ムーサは首をふって、にっこり笑う。冷たい水が、足をさすっている。

ムーサは縄の手を離し、家へむかって歩き出す。