ホシは、夜の静かな道を歩いていました。道がぐるりと回り、知らない場所にぽつんと立ちました。
木の葉がカサカサ鳴りました。ホシは空を見上げ、「おうち、どこ?」とつぶやきました。
ホシは右へ走りました。けれど道の先には、大きな水たまりが待っていました。
ぴちゃっ! 白い足が泥だらけになりました。ホシは急いで引き返し、遠くで風鈴がチリンと鳴りました。
風鈴の音を追うと、月明かりの道が浮かびました。ホシはその道をまっすぐ進みました。
道しるべの石が、ころころ転がりました。足元をくすぐられ、ホシは飛び上がって「もう、石さん!」と吠えました。
石の下から、やわらかな光がふわりと現れました。小さな光は、ホシの前でゆっくり揺れました。
ホシは小さな光を追いかけました。光は木の根元へすべり込み、見えなくなりました。
夜の道が、急に真っ暗になりました。ホシは耳をぺたんと伏せて、立ち止まりました。
しばらくすると、光がぽんっと跳ねて戻りました。ホシの前を、ゆっくり進み始めました。
ホシは光のあとを歩きました。やがて、見慣れた家の門が月明かりに見えてきました。
窓から明かりがこぼれていました。ホシはしっぽを大きく振り、安心して門をくぐりました。