放課後、そらは外へ飛び出した。アスファルトから熱気が立ち上り、空蝉が暑いと鳴き続けている。汗をふきながら、そらは玄関脇に目を留めた。
バケツと水鉄砲。もしかして?そらは考え、遠くから友達たちの声が聞こえてきた。みんなこちらへ近づいてくる。
そらが水鉄砲を構えると、友達たちが次々と水を飛ばし合った。あちこちでシャワーが舞い上がる。
そらはバケツの水を思いっきり振りまわした。友だちの背中に水しぶきが飛び、光って見えた。やった!とそらは叫んだ。
ある友達がバケツをひねって、そら目掛けて水を放ってきた。そらはかわそうとして転びそうになり、バケツの水が自分にもかかってしまった。
びしょ濡れになったそらは思わず「わあ!」と声を上げた。友達たちがわあわあと笑う。
そらがふと見上げると、スプリンクラーが急に水を噴き出し始めた。まるで自ら動いているかのよう。
そらは目を丸くして仰向けになり、冷たい水が顔に当たった。友達たちも気づき、一斉にスプリンクラーの下に駆け寄った。そらはうれしそうに手を高く掲げて水を受け止める。
スプリンクラーが止んだ後、みんなは濡れたまま床に座り、笑い合っている。
そらは乾いたタオルで髪をふきながら、友達と目を合わせた。にっこり笑い、夏の終わりに向かってゆっくり歩き出した。