ピプキン、ゆうけいをみつける

「ピプキン、ゆうけいをみつける」は水彩スタイルの絵本です。主人公はlittle rabbit、Yathra 143作、3〜5歳向け — Doodara AI絵本メーカーで作成

Yathra 143 作 · 水彩 · 3〜5歳 · little rabbit · 10 ページ

shy, curious, gentle

勇気は一歩ずつ育つ

門が、鉄のかんにカチュン、カチュンときしんで、ひらいている。そのむこう、イタドリの白黒の幹が、かげにおうすいしましまをひいている。ぽかぽかの夕日で、原っぱの草が、ちりちりと鳴っている。

ピプキンが門をぎゅっとつかむ。手の甲が真っ白になるほど。すき間から、鼻だけちょっと引っこめる。「まだ……」耳をぴったり頭の横につぶして、そう思う。砂利の上で、前足をひとつだけ、すべらせて前に出す。

イタドリが身をかがめて、くすんだ緑のなかで、幹と幹がささやき合っている。光が葉のすき間から、細い金色の糸みたいに注ぐ。遠くの先、小川が石の上を、ちん、ちん、と流れている。

ピプキンが、蜂の群れをすり抜けて歩く。一歩、二歩、三歩。一匹ずつが耳の周りにまとわりついて、わいわいとした金の音が、一歩ごとに丸のみしていく。

ぽっちゃりした蜂が、ぴょん、と鼻に乗った。アッコォーン!くしゃみの勢いで体が前に吹っ飛んで、最後の蜂のところまですべり止め。鼻はじんわり濡れて、ちろちろ瞬き。先には、小川がキラキラ光っている。

ポン、ポン、ぷちゃっ。三つ目の石で、後ろ足がすべった。いつの間にか、冷たい浅瀬に座り込んで、耳がパチッとピンと立ち、水が毛じゅうんにびしょ濡れ。

水から這い出して、両手をブンブンと絞る。シャッ、シャッ、ぷつ。もう四つの石。三つ。二つ。小川が石の周りで、ぶくぶくと、くよくよと笑っているみたいだ。

最後の急な坂で、爪がゆるい土をカリカリこする。登れ、登れ、登れ。丘のてっぺんをころころと落ちた、ドッ。いちばん背の高いイタドリの真下に、ぽふりと着地。

見下ろすと、金色の原っぱが、まるっと広がっている。門も、小川も、蜂の群れも——全部、ちっぽけで、しずか。耳が、ゆっくりと下がっていく。うすい実の殻が、ぷつりと背中に落ちた。「……あ、ちいさいな」と、ぽつりと思う。

伸びをして、丘のてっぺんの石に後ろ足をトントントンと叩く。大きな蜂がブーンと横を飛んでいく。見送る。それから、体ごとひっくり返って、もう片側の斜面を、まだ湿った足で、ぴょんぴょんと降りていく。

Doodara

ピプキン、ゆうけいをみつける

Yathra 143