ブラミが、ほら穴からころりっと出て、びしゃんとのびした。頭の中で、ぐるぐる、ひとつの質問。「幸せのひみつは、どこにあるの?」
深い、みどりの森のなか。たかいけやき。こけむったいし。みちにこぼれる、ちかちかのひかり。
ざらざらの樹皮に爪をさして、けやきをよじ登る。もっと、たかく。もっと、とおく。
うえには、みどりのはやぎばかり。まだきがいっぱい、森がいっぱい。「ないものね!」
木をずるずる——ぽちゃっ——せせらぎのほとりのぬかるみに、ちゃぷっと落ちた。
プチャ!くっきり透けた水を、がしがし駆け抜ける。枝が、ぱちんぱちん、背中を叩く。
むこう岸。びしょ濡れで、砂利の上にぽっくり。水は、すぅすぅ、そっと流れていく。
陽だまりの、あったかい石の上に、ぽっくり座る。ひかりが、そのてを、そっとくすぐる。目を閉じた。