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銀の扉

Guest

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銀の扉

Guest 作 · 水彩 · 3〜5歳 · 12 ページ

庭はしずかだった。古い樫の木が高々と立ち、枝が暗い空をかすめていた。

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庭はしずかだった。古い樫の木が高々と立ち、枝が暗い空をかすめていた。

ルネットは両手のひらを幹にすりつけ、ぐっと押した。ぎしっ—と、木が横にそり返り、根のあいだから銀色の光がひらりとこぼれた。

松ぼっくりが握りしめた拳からころんと落ちた。「あ」と息をのむ。彼女はひざをつき、きらめく扉を、這うようにぬけていった。

ブーツの下、地面が固めた粉のように、かすかにちりちり響いた。何もかもクリーム色で、ぴくりとも動かない。風もない。鳥もいない。ただ、月のかすかな響きだけが、そこにある。

お皿ほどもある、きらきら光るうさぎが、耳をゆらゆらさせながら跳ねて近づいてきた。ルネットは低くしゃがみ、手をのばした。うさぎは、鼻を彼女の親指にそっと押しつけた。

ぬくかく、ゆるやかで、うさぎの体はゆっくりしたランタンのように、金色から藍色へ、また金色へ、と明滅していた。ルネットはぴたりと体を固くした。まばたきもせずに。

うさぎが先へと跳ね、月のすっぽり縁まで彼女を案内した。ふもとには、星がちりばめられた暗い毛布のように、広い夜の空がぶら下がっていた。

ルネットはしゃがみ、粉のようにやわらかな地に落ちた、一本の月あかりの糸をつまみとろうとした。でも、それは煙のように指のあいだをすり抜けてしまった。まばたきひとつで、消えてしまった。

きらきら光るうさぎは、両の手前足をくわえ、光の一本の糸をかき上げて、ルネットの方へ差し出した。彼女は身をかがめ、掌を同じ形に合わせて受けようとした。

ルネットはその仕草をまねた——掌を平らに、指をまるめて。すると、一本の月あかりが手のひらにおさまり、小さな鈴のように「リーン」と鳴っていた。

光る月あかりをおなか前のポケットにしまい、銀色の扉をとおって元の場所へ戻った。その背後で、樫の幹がぽすりと、静かに閉じていった。

暗い庭のなかに、彼女のポケットだけが、草の上に銀色に輝いていた。ルネットはにっこり笑った。「これまでにいちばん、いいポケットだ」と、彼女は思った。